※2023.5.5(金)天竜茶(静岡)の生産者へ訪問させてもらったので追記しました。
日本茶専門店葉づきでは、全国各地から直接産地を訪問し厳選した茶葉を販売しております。その中の一つである、静岡県にある天竜茶の茶畑を2023年3月下旬に夫婦で見学させてもらいました。ちょうど新芽が出始めた時期でもありました。
▼最適な環境で育つ『天竜茶』
静岡県浜松市の天竜川流域で栽培されている天竜茶。澄んだ空気に満ちた山間部に位置し、傾斜地のため水はけが良く、朝夕には深い霧(山霧・川霧)に覆われる地形環境の為、柔らかな茶葉に育ち、害虫や病気も少ないというお茶にとって最適な環境で栽培されています。
▼茶畑見学
天竜の茶畑は、山間部の為、小さく点在しており、広さや日当たり等、茶畑によって自然環境も様々。そのため、それぞれの茶畑の自然環境に合わせて、木を切ったり、風よけのネットを貼ったり、どうやったらお茶の樹が喜ぶのか、気を配り真剣に取り組まれている姿をお話しを聞きながら感じました。特に、お茶の樹への負担を考慮し摘み取るのは1年に基本的に1回のみ。自家配合の有機肥料を使用し、冬には暴風よけネットを作りお茶を守り、敷き草を敷き詰めて保温、保水に利用するなど徹底した管理を行って作られています。こだわりの畑は、人が歩くのも躊躇してしまうほど、ふかふかな畑で、土作りへのこだわりを強く感じました。
また、摘み取られてすぐに加工できるよう工場があり、お茶の鮮度を保てるようにと一貫して取り組まれています。こうして自然と向かい合い、真剣にお茶づくりをされている生産者の方のおかげで美味しいお茶を飲めていることを改めて感じることが出来ました。
茶畑見学の際、試飲もさせてもらったのですが、とろりとしたうま味が濃厚でありながら後味がすっきりとした山のお茶ならでは味を味わう貴重な体験もさせてもらいました。茶葉も艶があり、美しかったです。※試飲用の茶葉で当店で販売している天竜茶とは異なります。
▼見た目と味のギャップがある『天竜茶』
天竜茶は、柔らかな茶葉の特性を生かした浅蒸し煎茶で、ピンとした針状の茶葉で艶があります。水色は透明感ある薄い黄色ですが、見た目と反して、味はインパクトある渋味と爽やかな香りが特徴です。
一般的には、旨味が強く色も緑が濃いものが好まれる傾向があるのですが、個人的には、昔ながらの渋味と後味がすっきりとした山間部特有の味わいが好きです。年を重ねるとともに、お茶を知れば知るほど、天竜茶のおいしさに気づかせられます。山のお茶ならではの爽やかな香りと味の強さが感じられるお茶好な方には一度飲んでもらいたいお茶のひとつです。
葉づきで取り扱っている天竜茶の茶葉
▼淹れる温度に繊細な『天竜茶』
浅蒸し煎茶である天竜茶は、低い温度でじっくりと抽出することで美味しく淹れることができます。熱湯を注ぐと渋みが強くなるため、温度には注意が必要です。葉づきで取り扱う茶葉は、一煎目は60℃・90秒抽出を目安にしてください。二煎目以降は10℃ずつ温度を上げ、三煎目までは十分美味しく飲んでいただけます。急須の中で、ピンとした針状の茶葉がゆっくりと広がる様子はとても癒されます。
透明感ある透き通った水色
今後も、生産者とのお話しや実際での茶畑での体験をもとに、少しでも美味しいお茶を皆様へお届けできるよう努めてまいります。天竜茶について気になることがありましたら、ぜひ店頭で聞いてみてください。